創作寓話①『二つのランタン』

むかし、深い森の入り口に、 二つのランタンが並んで吊るされていました。ひとつは明るく強く輝く大きなランタン。 もうひとつは控えめに揺れる小さなランタン

旅人たちは皆、迷わず大きなランタンの光を頼りに森へ入っていきます。 小さなランタンは、いつも誰にも見向きもされませんでした。

ある夜、嵐が来て、 大きなランタンの炎は強い風に吹き消されてしまいました。真っ暗になった森の入り口で、旅人たちは立ちすくみます。

そのとき、小さなランタンがかすかに光りました。 弱々しいけれど、確かにそこにある光。旅人たちはその小さな光を頼りに、 一歩、また一歩と森を抜ける道を見つけていきました。

嵐が過ぎたあと、旅人のひとりが言いました。

「大きな光は頼もしい。 でも、本当に必要なときに道を示すのは、小さくても消えない光なんだね。」

小さなランタンは何も言わず、 ただ静かに揺れていました。